Z世代で流行中の蛙化現象、蛇化現象とは?具体例も紹介
【記事公開日】2023/12/27
【最終更新日】2023/12/27
目次
「蛙化現象」というワードを見る機会が増えました。2023年の世相を反映した言葉である「新語・流行語大賞」のトップテンにも選ばれており、この数年の恋愛トレンドをうまく反映した言葉だと言えます。
この「蛙化現象」に対して「蛇化現象」という言葉もあります。今回はこの2つのワードについて解説します。
蛙化現象とは?蛙化現象の基礎知識
蛙化現象の元ネタは、グリム童話の「かえるの王様」です。「かえるの王様」は、以下のようなストーリーです。
ある国の王女が池にボールを落としてしまい、そこにいたカエルが、一緒に過ごすことを条件にボールを取ることを提案。王女は約束を破ろうとしますが、王様のアドバイスでイヤイヤながら引き受け、カエルと一緒に過ごします。
ある日、カエルが実は魔法に掛けられた他国の王子とわかり、その瞬間を境に王女はカエルだった王子を好きになり、結婚するというストーリーです。
相手に好意を向けられると冷めてしまう現象のこと
これが転じて、「蛙化現象」では、ずっと好意を持っていた相手への興味が急に冷めてしまうという意味を持つようになりました。
「かえるの王様」での意味とは逆ですが、この心理的な現象に共感する若者が多く、2020年ごろから蛙化現象という言葉が広まり、2023年の流行語大賞になりました。
蛙化現象の原因
蛙化現象の原因は、ちょっとしたギャップや、恋愛に対する考え方の違いが挙げられます。
現代はかつてに比べ、豊かさが失われた反面、理想的な恋愛シーンの情報量が増えました。理想的な恋愛と今の自分の状況を比べて、がっかりしたり、みじめに感じたりする場面も増えています。
そのため昔に比べると、蛙化現象が発生しやすいと言えます。
主な蛙化現象の原因は、下記のとおりです。
理想と現実のギャップ
蛙化現象の発生する理由で多いのは、想像していた異性への理想像が崩れることです。
たとえば、男性から割り勘を求められたり、性格が思っていたのと違ったりといった、理想と現実のキャップに直面すると、蛙化現象が起こりやすくなります。
恋愛経験が少ない
恋愛経験が少ないと、想像していた交際と現実での交際にギャップが生じやすくなります。これまでドラマやマンガで見てきた、幸福感のある恋愛シーンだけでなく、相手の日常的な風景を見ることもあるでしょう。それをきっかけに蛙化現象が発生することも考えられます。
例えば有名な話では「フードコートで料理を持って自分を探す彼氏の姿を見て恋愛感情が薄れた」という事例があります。
自己肯定感が低い
自己肯定感が低いと、自分が相手といて本当に幸せなのか、分からなくなってしまうことがありえます。
本当に自分でいいのだろうかなど疑心暗鬼になり、自分以外の異性なら相手はもっと幸せなのでは?という思いから、好意がなくなることがあります。
恋愛関係になるまでをゲーム感覚で楽しんでいる
また、相手に自分を好きになってもらうことを目標に恋愛を楽しむ人が男女問わず存在します。
いわゆる「追いかける派」ですが、この場合は相手が自分を好きになった瞬間に恋愛感情が燃え尽きてしまい、交際が長く続かない場合があります。これも一種の蛙化現象と言えるでしょう。
【具体例】蛙化現象に悩む人からの相談事例を紹介
結婚相談所にも、蛙化現象に悩む方からの相談を受けることがあります。
たとえば両思いが恋愛のゴールになってしまい、それまでの「もっと話したい」「もっと一緒にいたい」という感情から、「もっと話さなければならない」「もっと一緒にいなければいけない」という感情へと切り替わって、気持ちが冷めてしまった女性。
あるいは、好きだった相手への感情が距離を縮めるほど「怖い」「気持ち悪い」という感情に入れ替わり、付き合って1週間で相手を降ってしまった女性。
出会って5日間で体の関係にまでなった相手から「友達に戻りたい」と言われてしまった男性など、さまざまな声が集まりました。
こうした経験を反省して次の恋愛に活かせるのが理想ですが、なかにはこうした体験から恋愛そのものに抵抗感を覚えてしまい、20代を独身のまま過ごしてしまう方も数多く見てきました。
蛇化現象とは?蛇化現象の基礎知識
一方で、蛙化現象の「逆パターン」もあるようです。これは「蛇化現象」と呼ばれます。
蛇化現象はいわゆる「あばたもえくぼ」状態を指す
蛇化現象は、彼氏または彼女が何をしてもポジティブに捉えてしまい、短所も含めて愛しいと思う状態を指します。
一般的には感じの悪い様子、たとえば身だしなみに無頓着でも、ダサい服を着ていても、むしろそこが可愛いと感じる経験をされたなら、それは蛇化現象と言えるでしょう。
なぜ蛇に例えられるのか
カエルとヘビ、食べられる側と食べる側であることからわかるように、相手を丸飲みにしてしまう蛇=相手のどんな悪い部分も丸ごと愛してしまうというニュアンスから、「蛇化現象」という名前が付きました。
ここからさらに派生して、相手のすべてをおもしろく感じる「キング化現象」という言葉もあります…が、ここでは割愛。
女性が蛇化してしまう理由
この蛇化現象は、女性によく見られます。女性が蛇化するのは、ズバリ「母性」。男性の子どもっぽい様子に、母性がくすぐられて蛇化してしまうケースが多く見られます。
逆に、相手の見た目やスペックが良いという理由だけで蛇化するケースは少ないため、いわゆる「面食い」とは区別される傾向のようです。
男性が蛇化してしまう理由
一方で男性が蛇化する理由は、ざっくりと「独占欲」がキーワードです。
好きな女性の容姿が優れている、愛嬌や人気があるなど、いわゆる高嶺の花といわれる女性に対して蛇化してしまうことがあります。
蛇化現象、注意点は?
相手に蛇化現象を起こせる人は、恋愛において相当有利になるはず。しかし、相手が盲目的になってしまう以上、落とし穴もあり、注意が必要な場合もあるんです。
相手に夢中な時ほど冷静な判断を
蛇化現象が起こると、交際は長続きする傾向にあります。しかしなんでも許せてしまう分、ふさわしくない相手に夢中になってしまうケースもあり、注意が必要です。
具体的には、暴力的なDV男性や、お金目当ての女性などに当たってしまうケースが挙げられます。冷静に相手を見ないことで、恋愛から搾取へとお互いの関係性が変わってしまう場合があるので、そうならないように注意しましょう。
相手に重いと思われてしまうことも
また、蛇化した相手が蛙化する場合もあります。特に「重い」と思われるのは避けたいところ。たくさんLINEや電話をしたくなる場合もありますが、相手が多忙だったり、恋愛に無頓着である場合もあるため、束縛するような行動は謹んだほうがいいでしょう。
まとめ
蛙化現象、蛇化現象のどちらも、昨今の恋愛観をうまく表したワードですよね。
蛙化現象や行き過ぎた蛇化現象はせっかくの恋愛・結婚チャンスを失ってしまう可能性があるため、これから恋愛結婚をしたい場合は、着実に関係性を深める粘り強さや、相手を不快にしない振る舞い、自己肯定感や自主性が大切になっていきそうです。
恋愛を「蛙化」させないためにも、自分の価値観を大切にしつつ、相手にじっくり向き合うことを心がけてみてくださいね。